秋来ぬとさやかに見えねども [いつも渡り廊下シルフ]
ご無沙汰ー。
皆様いかがお過ごしでしょうか。日中暑くなったり、朝方には冷え込んだり。秋らしいといえば秋らしいのかもしれません。植物や昆虫などはだんだんと冬への支度を始めているみたいです。このあいだ電信柱に巣を作ったアシナガバチの集団に出会ったりもしました。電柱の中は温かいのだろうな。今年は実家の雨戸を収納する場所に、アシナガバチが巣を作ってしまったらしく、てんやわんやの母上と父上だったそうです。台風で、巣はダメになったのか、その後は姿を見なくなったとか。驚かさなければ刺したりはしない、と聞いていてわかってはいるものの、何で驚かせてしまうか予想がつかない、できれば少し離れた場所に巣作りしてほしい、そんなわがままを思ってしまうんでありました。
さておき朝の散歩で見かけたカメムシなどの画像を。
カメムシといえばこれ、と言っても過言ではない緑色のカメムシ。コンビニエンスストアの壁に張り付いていました。緑色のカメムシにも幾つか種類があるようで、「アオクサカメムシ」というのが該当するように思います。でも、カメムシには幼生のとかもいるようで、見分けるのに自信がありません。間違っている可能性があります。フーっと息を吹きかけてもまったく動じない、壁にがっしり張り付いている奴でした。

この子は小さめのカメムシさん。写真撮影が下手くそすぎていまいちな画像になってしまいましたけれど、「マルカメムシ」というのに似ていました。スーパーマーケットの駐輪場でガラス窓に張り付いていました。いつも持ち歩いているプラスティックの捕獲ケースに入れて、持って帰ってきちゃいました。

3つ目最後の画像は、「クサギカメムシ」に間違い有りません。きっと。たぶん。2cm近くあるカメムシで、その大きさに少しびっくり。ぶーんと羽を広げて飛んできたところを捕獲しました。プラケースを持っていなかったので、急遽A4の用紙で筒を作りまして、そこへ誘い込み、持ち帰って来ました。しかし家でじっくり見てみると、後ろ足の一本が欠けてしまっているご様子。捕獲の際にちぎってしまったのかもしれない、すまないことをした。
このクサギカメムシ、どうやらめちゃくちゃ臭いらしい。カメムシといえば臭いニオイで身を守る、そのイメージはあったものの、かなり臭いニオイを出すのがこのクサギカメムシさんだったようなのです。家に持ち帰るなんて高菜らいす、恐ろしいことをしてしまったものです。幸い高菜らいすを敵だとは認識していなかったようで、特別臭いに悩まされることはありませんでした。命拾いを致しました。
カメムシも越冬の準備を始めているようだ。温かい人家に近づいてきているみたい。ニオイのイメージが先行してしまってどうも触れたくない昆虫ではありますけれど、改めてその形をじっくりと眺めてみれば、とてもユニークなカタチをしていることに気が付きました。また足取りがたいへんしっかりしている。ちょこちょこ動かない。一歩一歩慎重に歩く。少しロボットみたいにも見えてきて、カメムシへのイメージが変化した高菜らいす、2011年の秋となりました。
臭いのは、イヤだけれどね。
伝説の匠の使っていた伝説の工具 [フェニックス中華鍋じゃーん]

ノギスを買った。
ノギスとは画像にあるようなカタチをした測定工具のひとつです。目盛りが付いていて、副尺(バーニヤ)を使えば、円柱の直径やパイプ管の内径などが0.05mm単位で測れてしまう文明の利器であります。0.01mm単位で測定できるものもあるとか。さらに近年では目盛り部分がデジタル表示になっているものなどもあるそうです。高菜らいすはすぐにノギスを使うような状況になく、税込でも1,000円弱で買える100mmタイプの一番小さいノギスをゲットしました。
かれこれ2年半以上も前からの「宿題」でありました。
なんでノギスを買ったのかといいますと、以前NHKの派遣切りドキュメンタリを見たことがその理由になると思われます。その番組ではリーマンショックだったかサブプライム問題だったかで需要が落ち込み、派遣社員の方々の仕事がなくなっていく様子が撮影されていました。例に上がっていた北海道出身の30歳の男性もその一人で、これまで派遣会社で荷物の運搬という単純作業くらいしかしたことがなく、手に職がついていない、そのせいで再就職がなかなかできない、という内容の番組でした。
男性はある会社に面接を受けにいく。面接後のインタビューにて「不合格」であったことをすぐに伝えていた。「ノギスは使えますか?」と面接官に尋ねられたとか。そして、ノギスなんて使ったことのない彼であり、不採用となった。男性曰く「端的に言えば、経験不足ということ」らしい。基本的な測定工具であるノギスが使えない人では困る、ということらしいのだ。「社会の求めるものと自分がやってきたことは、やっぱりちょっと違うな」と男性が述べるところでインタビューは締められていた。
さて。
この番組をたまたま見ていた知人がいらっしゃいまして、その方とお話をする機会がありました。その知人は例のノギスのシーンに刺激を受けられたのでしょうか、「思わずノギス買っちゃった☆」とおっしゃっていた。高菜らいすはたいへん驚きました。「どうすればこの人は仕事を見つけられるんだろうなあ」とぼんやりとしか考えていなかった高菜らいす。しかし知人は「自身が同じ状況になった場合のことも想定してみたら……ノギス買って使ってみようっと!」となったんである。もちろん工具一般が好きである、という個人的嗜好もあったのかもしれない。高菜らいすは工具にそこはかとなく憧れるところがありまして、使わないのにボルトやナットをついつい買ってしまう、電動ドライバーが欲しくなる、ということがあります。だから気持ちもなんとなくわかる。
しかし、番組放送直後にノギスを買いに走ってしまうその「行動力」にたいへん驚きまして、そして生来負けず嫌いであるところの高菜らいすも「買わなければ」と思って2年半経っていたのでありまして、負けず嫌いである一方でまた怠け癖、面倒くさがり屋、腰が重い、という性質も持っている高菜らいすだったんである。ようやく、ようやく、ノギスを購入したんであります。
足の親指や鼻の穴を測ってみたりしました(笑)
工作を頻繁にするわけではないので、やはり使い道がない(^^;
ちなみに「ノギス」についての説明を簡単に申し上げておきます。ウィキペディアによると「ノギス」というのは本来「ノニウス」と呼ばれるもので、それが日本にて訛った名称なのだそうです。ノニウスは綴りを「nonius」と書きます。「ポルトガルの数学者ペドロ・ヌネシュ、ラテン語表記ペトルス・ノニウス(Petrus Nonius) がノギスに目盛りを付けたといわれている」のだそうです。ノギスの「ギ」は一体どこからやってきたのか? 謎です(笑)
さらに、ノギスに副尺を加えて補助的機能を追加したのがフランス人のピエール・バーニヤ(Pierre Vernier) さんで、彼の名前から副尺部分は「バーニヤ」と呼ばれるようになりました。さらにさらに、その「補助機能」に注目されたのか、ロケットエンジンなどの補助機能を果たすバーニヤも、ここからきている名称なのだそうです。
自身の名前が死後もなお後世に伝わる、それはたいへんな名誉なのでありまして、高菜らいす羨ましく思ったりしました。(汚名や悪名は残したくないですけれども(^^;) 死んだ後も忘れられたくない。それはなにも高菜らいすだけが思うことではないはず、わりと多くの人が思うんではないか。そんな欲望は、人にはけっこう備わっているんではないか。そんなことをぼんやりと考えました。
で、仮にバーニヤを考えたのが高菜らいすだったら、この副尺部分は「タカナ」と呼ばれることになるよね。地域や地方によって、ノニウスがノギスに変化したように、「タカナ」が「タカーニャ」とか「タケイナー」とか呼ばれるようになるんではなかろうか。某日本の宇宙開発機構の設計室にて、「いや、ここはタケイナーを付けないと姿勢制御に不安が残ります」「しかし、タケイナーを付けるとなると予算が足りなくなる」という会話が繰り広げられることになったのではないか。なかなか煮詰まらない議論に、設計室の室長が立ち上がりぼそっと言う、「タケイナーは、たけえなあ(高いなあ)」
ダジャレ文化にまで影響を及ぼすことができたかもしれない。
話がそれた。ノギスの説明でした。下の写真をご覧あれ。

購入したノギスのパッケージの裏側にあった説明書きです。要約すると、
本尺目盛と副尺(バーニヤ)目盛をプラスして測定値を読みます。
①バーニヤの0点と本尺の目盛の対応箇所を荒読みします。
②バーニヤ目盛を本尺の目盛と合った所で読み取ります。
③①+②=測定値、となります。
以上。たったこれだけでノギスは使えるようになるのです。「外側測定」「内側測定」「深さ測定」「段差測定」などができるのですけれど、それらは図りたい対象物にノギスのどの部分を当てるかだけが違うのであって、基本的にはこの目盛り部分を読むことが出来るか、それだけの工具なのです。
誤解を恐れずに申し上げますと、「使える使えない」という言葉を用いるのは適当ではなく「知っているか知らないか」というレベルの話、だたそれだけのような気がしてきます。高菜らいすにはそのように思えてなりません。そしてそれだけのことが採用不採用に左右するのであれば……知っておくに越したことはないのではないか。知っているか知らないか=知識、と置き換えますと、知識はどれだけ持っていても重たくないように思います。話を飛躍させると、さらに「誰かに教える」という段になっても、知識ってのはどれだけ伝えても減ることがない、無限の資源のように思えてなりません。
ドキュメンタリ番組に出ていた男性はその後仕事が見つかったのだろうか。見つかっていればいいけれど。或いはノギスを使えるようになった彼になっていれば、なんだか望ましいのにな、と思ったりします。
【追記】 記事内で触れたNHKの番組を見ていた方の、ネット上での感想なども探してみました。ありました。面接へ行く前の履歴書の志望動機欄が白紙であったこと、面接に普段着で向っていること(スーツで行かなくていいの?)など、いろいろと突っ込まれていました。さらに「企業側は、体よく不採用にするために、ノギスのことを持ちだしただけで、ノギスだけが原因ではないと思う」という意見も。「なるほど、採用担当さんは何枚もウワテなのだなあ」と高菜らいすコクリコクリ肯いたんであります。
「ところでノギスは使えますか?」「はい!」と答えられるパターン、「使ったことはありませんが、すぐに覚えます!」と答えるパターンなどを何種類かを想像してみたり。元気にハキハキと、それだけでうまくいく可能性は高まるんではないかと考える、学生気分の抜けない高菜らいすであります。どうかにゃ?
ノギスの使い方なんて「知っているか知らないかだけである」などと本文中で述べましたけれど、ひょっとすると「定規を使って何かを測る」ことや「単位を考えて、本尺と副尺の目盛りを足し算する」という行為に各個人でハードルの高さに違いがあるのか?とまで考えてみました。これらはおそらく小学校で習う事柄のように思います。嗚呼、義務教育ってありがたい……。





